特異な技術力と知見を活かす 酒類鑑定官の経歴を持つ『麒麟』蔵元が目指すものは

国税局鑑定官の経験も活かし、世界に通じる日本酒をつくる。

2017/12/27 22:00


 

■かつては「会津藩領」の地

下越酒造

蔵を構える阿賀町津川は、阿賀野川と常波川が合流する地点の段丘に開けた町。

かつては会津と越後とを結ぶ会津街道の宿場町であり、また北前船の寄港地でもあった新潟と、会津地方を結ぶ阿賀野川の舟運の川港としても栄えた。

1886年に新潟県に編入されたが、それまでの700年余は会津藩領だった地。そのため食文化も会津地方の色合いが濃い。 そうした歴史もあってか、この蔵の酒は越後流「淡麗辛口」酒ばかりではない。

『麒麟』は香味のバランスがよく、味が綺麗できめ細やか。旨味があるも後味スッキリ飲み飽きしないタイプ。他に濃醇旨口の『蒲原』ブランド、長期熟成酒シリーズもあり、味わいのバラエティは豊かだ。


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■出荷の1割は海外へ

下越酒造

下越酒造の製造内訳は、「特定名称酒」が8割を占めている。販売先は地元・県内が3割、首都圏を主体とする県外が6割、残りが海外。つまり1割前後が輸出用と、海を渡る商品の比率が高い。

販売先は米国、香港、台湾。海外戦略について尋ねた。

「1997年にSEA(日本酒輸出協会)が設立されて、それに参加しました。ジェトロの協力を得てロスやNYで試飲会をしたのですが、手応えが感じられたのです。


続いて米国の市場調査をしたところ、日本酒が認知されてきて進出にちょうどいい時期だと判断しました。好まれるのは香りがあって甘味の感じられるタイプですね」


現在は『蒲原』の純米吟醸五百万石を『Bride of the Fox』の名で出している。地元津川の狐火伝説から生れた「狐の嫁入り行列」にちなむ名前だ。

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■熟成への挑戦も
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