雪深い栃尾の風土が育てた『越の鶴』 長岡藩の兵糧所だった歴史をもつ蔵元に聞く
上杉謙信が初陣を飾った栃尾で、将軍吉宗の時代から醸し続ける伝統の蔵。
■歴史的価値や伝統を受け継ぎ良好に維持
越銘醸の蔵は雪国の知恵・雁木が連なる雁木通りにある。建ててから220年も経っていて、表の外観は明治の頃のまま。
「数年前にリニューアルしようと、建築士に相談したんです。そうしたら、絶対このまま残すべきだと説得されました。補強にも新建材は使わない。えらい時間と費用がかかりましたが、なんとか昔ながらの風情を保つことができました」
この建物は、歴史的価値や伝統を受け継ぎ良好に維持して、地域の景観を造り出すことに貢献した、として2016年「長岡市都市景観賞」に表彰された。
最後に、会社の経営で大切にしていることを尋ねると「法令遵守、歴史の尊重、科学の尊重、社員の福祉」との答え。
それは歴史を尊びつつも、科学の目を持って醸造に取り組む小林社長の姿勢を物語っていた。 それでは蔵が勧めるお酒を紹介しよう。
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① 『こしのつる 大吟醸』
蔵を代表するお酒で全国新酒鑑評会では3年連続金賞を受賞。フルーツのような華やかな香りが特徴。冷たく冷やしてワイングラスでどうぞ。
② 『壱醸 純米大吟21』
栃尾の酒小売店7軒が地元の棚田で「越淡麗」を育て、その米で醸した純米吟醸酒。21%まで磨き、雑味のない香り華やかな酒に仕上がっている。県内限定流通。
③ 『山城屋 純米吟醸 山田錦』
「山田錦」を55%に精米して使い、香り・旨み・酸味のバランスが抜群。穏やかな香りと優しい甘みが心を捕える。首都圏対象の県外限定流通ブランド。
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(取材・文/Sirabee編集部)