名杜氏の薫陶を得て蔵元杜氏デビューの『宝山』 業種を超え仲間を巻き込み日本酒を楽しむ

酒米を一切使用せず、食用米として知られるコシヒカリを全量使っての酒造りも。

2018/02/05 22:00


 

■「コシヒカリを麹米に」という挑戦

宝山

酒造りを少しでも知っている人なら、心白の小さい飯米でお酒が造れるものなのか、とまず、思うところだろう。掛け米として使用するのがむしろ一般的。

コシヒカリで造れるものかどうかと、新潟県醸造試験場に聞き行った際にも、「麹は五百万石か山田錦にして、掛け米をコシヒカリにしなさい」と指導されたという。

極論をいえば、酒米と飯米では、必要な要素が逆。酒米でさえ、雑味のないお酒を造るために大量に磨くことになる。

ところが、醸造試験場のアドバイスに青柳杜氏が、「麹もコシヒカリでなければ意味がない」と意地を見せたのだ。

それから数年、4代目と青柳杜氏のチャレンジが続く。失敗も繰り返し、苦労の末に完成させた『コシヒカリ純米吟醸 宝山』は、蔵を代表するお酒のひとつとなった。


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■人気の酒蔵見学

宝山

「最初は、不安でしかなかったんです」と、主に蔵見学を担当している女将さんが話す。先代の頃から少しずつ受け入れていたとはいえ、ツアー会社に頼まれて引き受けることは、勇気もいることだった。

しかし、団体客にも個人客にも同じように、我が家に招き入れる気持ちで接し、熱心な解説や、お座敷に場所を移しての酒造りの説明、そのあとの試飲という充実した案内が大好評。

街道沿いに建つ、昔ながらの佇まいの小さな酒蔵。きっと、それまでも覗いてみたいと思っていた人は多かったに違いない。 最後の試飲は、庭を眺める立派な座敷。

宝山

「家族は使わない場所なので、有効利用できてよかったんです」と、笑って話す。 予約は必要だが、見学は無料で行っている。

桂太さん:弥彦・多宝の伏流水である敷地内の井戸水を仕込み水に、お米は、米どころ・新潟の誇りとして、県産米にこだわって、手造りで行っています。


地元からたくさんのものをいただいていますので、地元を元気にできる存在でありたいと思っています。新潟に是非、いらしてください。


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①『コシヒカリ純米吟醸 宝山』
日本酒杜氏蔵元新潟市グッドデザイン賞コシヒカリ新潟県宝山岩室温泉彌彦神社宝山酒造石井酒造二才の醸
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