越後長岡「文化財」の蔵で醸される『長陵』 郷土の文化と歴史へのオマージュも込めて

高橋酒造の代表銘柄『長陵』の名は、長岡市の雅称が由来。

2018/02/23 22:00


 

■「長陵」は長岡市の雅称

高橋酒造

代表する銘柄は、まず『長陵』。これは長岡市の雅称でもある。

「若い世代は知らない人も多いけれど、昔は長岡のことを親しみを込めて長陵と呼んでいたんですよ。それに長岡出身の山本五十六の雅号でもありました」


旧・越後長岡藩士の家に生れた山本五十六は、太平洋戦争時に連合艦隊司令長官を務め、真珠湾攻撃を指揮した人物。前線視察の際、プーゲンビル島上空で戦死した。

生前は揮毫を頼まれると長岡藩の藩是「常在戦場」を好んで書いたという。 その際に記した号が長岡の別名「長陵」。

「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」は、山本の格言として有名である。


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■郷土へのオマージュを醸す

高橋酒造

もう一つは『八一』というブランド。新潟市生まれの歌人で書家、東洋美術史家でもある會津八一を偲んで名づけられたもの。

「地元ではあまり知られていませんが、新潟市の名誉市民であり、早稲田大学の文学部教授も務めています。高橋酒造の創業家・髙橋家の遠縁にも当たります。新潟が誇るべき文化人です」


會津八一は、西洋化の中で忘れ去られようとする日本古来の美の再評価にも取り組んだ。新潟市に「會津八一記念館」、早稲田大学構内には「會津八一記念博物館」がある。

銘酒『八一』ほか『壺中天地(こちゅうてんち)』のラベル文字は八一の書であるという。 これらに共通して感じられるのは、埋もれていく郷土の史実、文化の顕彰だろうか。

銘柄に込められた想いは郷土の誇り、郷土へのオマージュといえるだろう。

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