新型コロナによる医療従事者への差別や偏見 看護師の母と妹を持つ男性の訴え

母親と妹が看護師として働いているという男性が「医療従事者に対する差別や偏見について」と題した動画をYouTubeに投稿している。

2020/04/28 05:15

看護師
(maroke/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

院内感染が起こった病院や施設のスタッフや、その家族に対して、偏見や誤解にともなう過剰な対応が起こっている。がん・感染症センター東京都立駒込病院感染症科部長の今村顕史氏も、自身のフェイスブックページでこのことについて言及していた。

こうした問題について、母親と妹が看護師として働いているという小林和樹さんが、「医療従事者に対する差別や偏見について」と題した動画をYouTubeに投稿している。



 

■「触らないで」「ウイルス近寄るな」

小林さんの妹は大学病院、母親は内科のクリニックで勤務しているのだが、とくに、母親の働いているクリニックは内科ということもあって、毎日、体調を崩した多くの患者が病院を受診するそうだ。

すると、病院を訪れた患者の中には、診察券を渡す際に「触らないで」「ウイルス近寄るな」と暴言を吐いたり、採血をするため近づくと、体を引くような態度を見せたりする人もいるのだという。


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■「ありがとう」の一言が励みになる

こうした状況に、「悲しくて悔しい」と小林さん。「患者さんの一人ひとりにとっては、いち看護師かもしれません。しかし私たち家族、僕にとっては世界で一番大切な母親と妹です」と訴えた。

医療現場では、新型コロナウイルス感染の可能性がある中、医者や看護師をはじめとするスタッフが、収束のため強い意志を持って一生懸命働いてくれている。それにも関わらず、その人たちに心ない言葉を投げかける人がいる。こうした矛盾がなくなるよう、そして家族を守るため、小林さんは迷ったすえに今回の動画を投稿した。

彼が動画の中で伝えているのは、医療従事者の方たちに「お疲れさま」「ありがとう」と声をかけてほしいということ。その一言が励みになると、小林さんの母親と妹も話しているという。

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■新型コロナウイルス収束のため
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