瀬戸内寂聴さんが死去 誕生日には「十分に生きた我が一生」と振り返る

作家で僧侶としても活躍していた瀬戸内寂聴さんが、心不全のために今月9日に死去していたことが発表された。

2021/11/11 14:20


 

■自伝的小説で地位を確立

寂聴さんは徳島県出身で、東京女子大時代に見合い結婚して長女をもうけるも、教師だった夫の教え子と恋に落ち、夫と子供を残して家を出た。離婚後は少女小説や童話を執筆した。

1957年の『女子大生・曲愛玲』で新潮同人雑誌賞を受賞し、本格的に作家デビュー。受賞第1作として発表した『花芯』で奔放な性愛を描いて賛否両論を集めた。1963年には自伝的小説『夏の終り』で女流文学賞を受賞し、地位を確立した。


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■法話でも人気に

1973年に得度して寂庵を構え、作家活動の一方で、法話を行うなど尼僧としても活動。自らの人生経験を土台に、仏教の教えについてユーモアを交えて語った法話は人気を博し、エッセーなども話題に。

1992年には、一遍上人を描いた『花に問え』で谷崎潤一郎文学賞を受賞。1998年には『源氏物語』の現代語訳全10巻を完結させた。2006年には文化勲章を受章した。

新しいものにも興味を示し、ケータイ小説ブームだった2008年には、「ぱーぷる」のペンネームでケータイ小説サイトに執筆したほか、近年ではインスタグラムのアカウントも開設。99歳の誕生日には「全てに今は悔いがありません。十分に生きた我が一生でした。死に様は考えません。自然に任せます」と死生観をつづっていた。


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■高須院長らも追悼

訃報を受け、寂聴さんが脚本を手がけた歌舞伎『源氏物語』に出演した歌舞伎俳優・中村福助はツイッターに2ショット写真を投稿して「寂しいです。合掌」と悼んだ。

また、2011年に得度した高須クリニックの高須克弥院長もツイッターで「南無阿弥陀仏」と追悼している。

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(文/Sirabee 編集部・しばたけろこ

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