店頭で見かけた雑誌、謎すぎる「7文字」が… 全国のゲーマーから感動の声相次ぐ

店頭で見かけた謎に高額のゲーム雑誌。その理由がひと目で分かる店側の「工夫」に称賛の声が寄せられているのだ。

2022/01/28 11:25


 

■インド人はなぜ、右に行ったのか?

ツイート投稿主・石川さんが貴重な『ゲーメスト』を発見したのは、東京にある駿河屋 新宿マルイアネックス店でのこと。

『ゲーメスト』や後続雑誌『月刊アルカディア』などのゲーム雑誌を愛好しているという石川さんはある日、同店舗を訪れると一冊だけショーケースに入っていた雑誌に遭遇し、思わず目線が吸い寄せられたところ件の「インド人を右に」のメモ書きを発見し、「伝説の誤植が掲載されている号か!」と思わず興奮し、記念に写真を撮影したという。

記者が「エーツー」にメモ書きの意図について詳細を尋ねると、担当者はまず「同メッセージは元ネタの詳細も分からないまま使われるほどネット上では普及した『ミーム』なので、分かりやすくメッセージを添えて販売させて頂きました」と説明しつつ、「『ゲーメスト』という雑誌はもともと誤植が多く、語られている話によると、ワープロで仕事をする会社も増えてきた中で同誌は手書き原稿で作業を行なっており、版下会社が写植する際になぐり書きの文章を解読・解釈する必要があったため、大量の誤植が生まれたと言われています」と、大量の誤植が誕生した背景について解説してくれた。

担当者はさらに、「発行当時は格闘ゲーム全盛期ということもあり、ゲームの待ち時間や雑誌の回し読みで誤植は広がりやすかったので、今回のメモ書きは『懐かしさ』と『有名語録』の2つが写真の実物と重なり、ツイート投稿者様やインフルエンサーの方々の目に留まり、大きな反響を呼んだのかと思います」とも分析している。


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■その他の号と比較してみると…

なお、他の号の『ゲーメスト』価格相場については、やはり創刊号に近いものほど希少価値となり、相場が上がっていることが判明。担当者は「80年代のゲーム業界資料としての価値が非常に高いです」ともコメントしている。

参考までに、2022年1月時点では「1986年創刊5月号 No.1」の美品価格が29,800円、「1986年7月号 No.2」の美品価格が24,800円とかなり高額である一方、『スーパーファミコン』が発売となり、ゲーム業界が特に盛り上がっていた90年代の号は発行数も多く、有名な誤植が載っていたり人気ゲームの付録ポスターが付いている…といったもの以外は、美品でも600円〜800円と、比較的安価で販売しているそうだ。

また、誤植や付録以外でも価格が上昇するケースもあり、「1988年8月号 No.23」は麻雀ゲーム『スーパーリアル麻雀P II』の「脱衣シーンが掲載されている」という理由でプレミア価格がついているのには、思わず納得である。


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■「誤植」が後世に与えた影響

今なお後世に大きな影響を与え続けている『ゲーメスト』の誤植。中にはこちらの魅力に取り憑かれたあまり、ゲーマーとして自身の「プレイヤーネーム」に誤植を冠する人も決して少なくない。

そこで今回は、ザンギを30年間愛用し続けている『ストリートファイター4』シリーズの強豪ザンギ使い・スーパーウリアッ上さん(以下、ウリアッ上さん)に、ザンギ使いから見た「ザンギュラ」「ウリアッ上」誤植の魅力について語ってもらうことに。

ザンギと言えば格ゲーにおける、いわゆる「投げキャラ」の元祖であり、スピードが遅く細やかな動作も苦手な代わりに、爆発力が凄まじい「浪漫の塊」のようなキャラクター。かといって決して「大味一辺倒」というワケでなく、使いこなすには精密かつ繊細なテクニックや緻密な読み合いが求められ、古来より玄人プレイヤーに愛されてきた存在である。

そんなザンギエフに魅せられてきたウリアッ上さんは、件の誤植について「よくぞそのまま、これを世に出してくれたと称賛したい」とベタ褒めしており、「この誤植がなくて普通に『ザンギエフのスーパーラリアット』と正しく表記されていたら、世界の形は今と全く違うものになっていたのではないかと時々思います」と、哲学的且つ、愛を感じさせるコメントを寄せてくれたのだ。

駿河屋

なお、ゲーム雑誌の価格変動について「駿河屋」担当者は「インターネット上では『ゲーメスト』の誤植文自体の掲載は多いですが、どの号に載っているかの詳細は書かれていることが少ないので、今は安いものも今後値段が上がってくるのではないかと予想しています」とも語っていたため、お気に入りの誤植がある号は、大事に取っておいた方が良いかもしれない。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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