岸田首相発言で注目高まる同性婚 若い世代では8割が「認めるべき」

岸田文雄首相の答弁の後、荒井勝喜秘書官(当時)による「見るのも嫌」とのオフレコ発言が報じられて大問題に。

2023/02/20 05:45

岸田文雄

「同性婚」にまつわる問題が、波紋を拡げている。1日の衆院予算委員会で、岸田文雄首相は同性婚について「社会が変わってしまう」などと現行の憲法や法制度においては、実現が難しいとの考え方を答弁。

その後、首相秘書官を務めていた荒井勝喜氏が同性愛者について「見るのも嫌だ」「隣に住むのもちょっと嫌だ」と話したオフレコ発言が報じられ、秘書官は更迭。17日、首相はLGBTQ当事者、支援団体関係者を官邸に招いて謝罪した。


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■憲法では「両性の合意」

日本国憲法第24条は、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し…」と明記しており、岸田首相の答弁は、現行憲法下における同性婚の法制化は困難との政府見解に基づいたものだ。

なお現在、世界ではアメリカ合衆国やフランスなど33ヶ国で同性婚が法的に認められている。また、地方自治体においては2015年の東京都渋谷区を皮切りに、2023年1月現在では255の自治体で同性パートナーシップ制度が施行。

実際、世間は同性婚やパートナーシップ制度についてどのように考えているのだろうか。


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■「異性婚と同じ権利」が5割

Sirabee編集部が、今年2月10日〜12日にかけて、全国10〜60代男女905名を対象に調査したところ、「異性の結婚と同じ権利を認めるべき」という回答が最も多く、48.1%に及んだ。

「婚姻制度ではなくパートナーシップ制度を認めるべき」という意見が28.7%で続き、「婚姻は認めるが一定の留保をすべき」が18.3%。「同性婚もパートナーシップ制度もいずれも認めるべきでない」という声は、わずか4.9%だった。

同性婚


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■若い世代ほど肯定的

パートナーシップ制度を含めれば、全体の9割以上が肯定的な同性愛者の社会的立場を守るための法整備。しかし、性的少数者をめぐる社会的なムードは近年になって急激に変化したこともあってか、世代間の意識差が大きく表れた。

10〜20代では、「異性の結婚と同じ権利」という声がじつに75.0%に。この世代では、「いずれも認めるべきではない」という人はわずか0.8%しか存在しない。

年代が上がるほど「異性婚と同じ権利」との回答は減少し、60代では32.1%に。一方で、パートナーシップ制度の充実を求める人は高齢者ほど高くなっている。

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■男女差も大きく

また、今回の調査では男女差も顕著に見られた。男女とも、同性婚もしくはパートナーシップ制度を認めるべきという大筋には変わりがない。しかし、「異性婚と同じ権利」という意見は男性では40.1%なのに対して女性は15ポイント以上多く55.9%。

一方、「一定の留保」「パートナーシップ制度による解決」という意見はそれぞれ女性より多い。こうした男女差や上記の世代による意識差が、今回の「同性婚発言問題」の背景に色濃く存在している可能性は高い。

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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2023年2月10日~2月12日
対象:全国10代~60代男女905名(有効回答数)

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