鬱病の過去がある人に抵抗感があるのは2割も…元患者の本音は
職場での人間関係や仕事のストレスでかかってしまう鬱病。症状がひどいと、社会復帰するまでにかなりの時間を要する人もいる。
鬱病を患っている人に会ったとき、中には「どうやってコミュニケーションを取ったらいいの?」「あまり関わりたくないな」と感じてしまう人もいるという。
■鬱病の過去がある人との関わり合いは難しい…2割が該当
しらべぇ編集部が全国の20代〜60代の男女1,365名を対象に調査をしてみたところ、全体で約2割の人が「鬱病の過去のある人と関わるのは抵抗感がある」と回答。
「鬱病」と聞いただけで、身構えてしまう人もいるのだ。その事実を、鬱病の人はどのように感じているのだろう。
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■鬱病経験者が本音「距離を置かれてるのを感じるのがツライ」
編集部では過去に鬱病になったことがある20代男性に、当時の周囲の反応やそのときにツライと感じたことは何かを聞くことができた。
「新卒で入社した会社でパワハラ上司と相性が悪く、ついに身体とメンタルを壊してしまいました。仕事を続けることも困難で半年で辞めてしまいました。
大学時代の友達にそのことをLINEで打ち明けたのですが、既読にはなるものの連絡が返ってこなくて。たぶん、なんて返そうか困ってしまったんだと思います。その気持もわかります。
僕としては、普通に笑って『気にすることないよ! 一回会って話そう』という言葉をどこかで期待していました。でも、鬱病という言葉ひとつで距離を置かれ、その後は音信不通に。すごくツラかったですね。そのことで気持ちが沈んだ時期もありました」
そして彼は、鬱病の人との接し方で「こうしてほしい」というのを語る。
「鬱病の度合いで人それぞれだと思いますが、ただ『そうなんだね。ツラかったね』と受け入れてくれるだけでいいんです。
鬱病の人は、人にそのことを打ち明けるのもすごく勇気がいる。症状を話す相手は選んでいるけど、特別な言葉や対応を求めているわけでもないんです。でも普通の人は、『大変なことを聞いてしまった』という気持ちになるんでしょう。
僕の場合それほど重症ではなかったので、親や親友など周囲の人のサポートのおかげで早く立ち直ることができました。自分だけの力ではどうにもならない時期がある鬱病。そのことを理解してくれるだけでも、鬱病の人の気持ちは楽になると思います」
もちろん鬱病の症状の度合いによっては、その人への適切な対応の仕方は変わるだろう。だが彼の話を聞くと、変な気づかいほど鬱病の人の心を傷つけてしまうのかもしれないとわかる。
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(取材・文/しらべぇ編集部・chan-rie)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年4月22日~2015年4月25日
対象:全国20代~60代 男女1,365名(有効回答数)