動物界に蔓延する風評被害【黒田勇樹の妄想的語源しらべぇ】

2015/05/28 19:00

ナマケモノ

人の名前を覚えることが苦手なので、こっそり「自分しか知らない”オリジナルあだ名”」を、ひとにつけるようにしている為、余計名前が覚えられない俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。こんにちは。

知り合ってから10年、「性欲が強そうだな」という偏見から「ティッシュ」とオリジナルあだ名をつけた人物の本名を未だに知りません。ごめんな、テッシュ。

このコラムでは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べ、妄想をふくらませていこうと思います。


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■「ハシブトガラス」と「ハシボソガラス」

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©iStock/Johan_Kok

カラスの中で、最もメジャーな2種。筆者は、非常にわかりやすいこのネーミングにとても好感を覚えます。

「クチバシが(ハシ)太い(ブト)カラス(ガラス)」だから「ハシブトガラス」

「クチバシが(ハシ)細(ボソ)カラス(ガラス)」だから「ハシボソガラス」

わかりやすい!


この様に、動物のネーミングには、その生物の生態を表すネーミングがされているというケースが散見されます。

しかしその一方で、「人間の勘違い」で、名前をつけられてしまったため、あらぬ風評被害を受けている動物も存在するのです。


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■「アホウドリ」

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©iStock/ChristianWilkinson

アホって!そもそも、人間を警戒せず、すぐに捕獲ができるため「こいつ、アホだな」と思われつけられた名前なのですが、アホって!

羽毛やら肉やらを、自分たちの生活を豊かにするために乱獲し、絶滅の危機にまで追い込んでしまっている鳥のことをアホって!人間とは、恐ろしく残酷な生き物です。

ほかの生物に対して感謝がまるでないネーミング。せめて「アリガトウドリ」とか「タカラモノドリ」とか、そういった尊敬のあるネーミングは出来なかったのでしょうか?


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■「ナマケモノ」

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©iStock/ivkuzmin

色々弁護してみたものの「アホウドリ」は、結局人間に捕まってしまっているので、「アホ」と言われても仕方がないかもしれません。

だがしかし、「ナマケモノ」、お前はダメだ!

すげー努力してるんですよ!外敵に狙われないよう、ジャングルの景色に溶け込むため、背中に苔をはやし、その苔の成長を促進するため、ジーッと動かない。彼らは、生きるために必死に動かないのです。

全体重支えながら、木にぶら下がって同じ体勢で1日過ごしてみろよ、人間ども。

あんなに必死に生きている動物を「ナマケモノ」と、呼ぶなんてどういう神経をしているんだ!筆者がネーミングするのであれば、あの生き物は「超努力同一姿勢ぶら下がり居士(チョウドリョクドウイツシセイブラサガリコジ)」です。


俺のことを!俺のことを、ナマケモノと呼べよ!アイツらは頑張ってるんだよ!

若干、興奮してしまいましたが「動物のネーミング」、由来や本当の生態を調べてみると面白い発見がいろいろあるので、皆様も是非挑戦してみて下さい。

(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹

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