近畿大学が3密状態で対面授業を強行・学生が不安の声 教職員組合に実態を直撃
学生は「クラブのような密集状態だった」と告発。ほかの大学の感染対策も追った。
「まん延防止等重点措置」が適用されている大阪府が10日に発表した新型コロナウイルスの新規感染者は、918人で過去最多を更新した。そんな中、東大阪市などにキャンパスがある近畿大学が、密集状態で対面授業を強行していたことが取材でわかった。
■学生が教室外にあふれる
近畿大学教職員組合は、ツイッターでその現状を訴えている。ツイッターに投稿された写真は、学生から提供されたもので、7日1限の授業だという。
近畿大学は今日から授業開始ですが、フル定員での教室使用なのでこのような密集状態となっています。
対面とオンラインをうまく併用すれば、このようなことにならずに済むのですが、この状態では危険です。
組合は引き続き、教室定員の抑制を求めていきます。 pic.twitter.com/gcYnchOqGw— 近畿大学教職員組合 (@unionkin) April 7, 2021
教室内は満席となり、立ち見もでて、教室外にも学生があふれている状況。明らかに密集状態だが、窓があいている様子もない。この授業は急遽30分以内で中止になったという。
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■大学と組合で見解の相違
近畿大学広報室は、しらべぇ編集部の取材に対して「この写真は組合が撮りにいったもので、ほかの教室では間隔を空けて適切に行われていた」と述べた。しかし、教職員組合の藤巻副書記長は「広報室が述べていることと実態は違う」と憤る。
実際に学生や教職員から、「写真と同じような教室があちこちで見受けられた」という声がメールなどで寄せられているそうだ。また、藤巻氏は「授業開始前のオリエンテーションでも同じ状況になっており、7日のあの状態は回避できたはず」と話す。
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■組合はストも辞さない
教職員組合は、昨年から幾度となく大学側に新型コロナウイルス感染防止策について、さまざまな訴えを行ってきた。
3月30日には団体交渉要求書で「原則対面はやむを得ないとしても、学生・教員双方の安全対策、および学生の学修効果を十分配慮し、状況に応じてハイブリッド方式(オンライン授業と対面授業の組み合わせ)で行うことが可能である」と主張。
また、「ハイブリッドへの柔軟な対応が認められない場合、本組合ではストも辞さない」と述べていた。