センサーは蔵元自らの手 小さい蔵には効率のいい昔ながらの製法で造る『越後美人』

創業210余年ながら、さまざまな紆余曲折を乗り越えてきた小さな蔵元。

2018/01/17 22:00


 

■どうするから美味しいのか

越後美人

現在も精米歩合50%の純米酒を造っているが、純米大吟醸とは呼ばず、純米吟醸としている。先代杜氏の元で働いていた頃から疑問があり、そもそもなぜ純米吟醸は美味しいのか、と精米歩合の方向から考えてみた。

そして65%から試し、1年に1回精米歩合を5%ずつ減らしてみたところ、50%が美味しいと思われた。そこで止めているのだという。

「特定名称酒と普通酒が半々ですし、小さい蔵なので何本も吟醸酒を仕込むわけにいきませんから、時間をかけて試してみたんです。ここ10年ほどは50%。ここがいいかな、と思っています」


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■創業210余年の紆余曲折

創業は文化元年。1804年というから、210余年の歴史を持つ酒蔵だ。しかし第二次世界大戦中に廃業させられ、戦後、数社一体となれば復活することが許された際に、3社が集まってできた上越酒造。

銘柄を決める際、地元に入り込むのはもう難しく、首都圏に買い手を求めるしかない状況だったことから、東京の酒販店さんに出向いた先代が、帰路、電車に揺られながら思いついたという。新潟の地酒をアピールする名前、ということから『越後美人』となった。

ところがそれから数年、他の2社が手を引くと言い出し、飯野さんが全てを引き受けることとなる。

「それなら、愛着のある自分の蔵の銘柄を復活させたい。『若竹』という名前だったんですが、これを、優秀賞を取った大吟醸につけたんです」

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■古式を大切に今様を探る、心込めた酒造り
日本酒杜氏蔵元取材手づくり酒蔵吟醸酒新潟県越後美人若竹上越酒造
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